カタツムリに寄生し、意のままに操る・・・そんな寄生虫がこの世の中には存在します。
その奇妙な生き物の名前は、ロイコクロリディウム。アメリカやヨーロッパに生息する、小さな小さな寄生虫です。
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photo by Thomas Hahmann
このロイコクロリディウム、寄生虫なので基本他人の体内に宿るのですが、その一生がすごいんです。
まず、生まれる前の卵の時間を鳥の糞の中ですごします。
そしてその糞がカタツムリに食べられるのをじっと待つのです。
無事にカタツムリに食べられると、カタツムリの体内でふ化をし、カタツムリが食べるえさを頂戴しながらすくすくと成長します。
そして、カタツムリの触覚に移動するのです。緑の膨れたからだが、触覚から透けて異様な光景になっています。
photo by Ondrej Zicha
ここで、ロイコクロリディウムは脈動をします。触覚がなんだかムズムズするカタツムリは、その違和感を解消するためにうねうねと触覚を動かすのです。その動きはまるでイモムシ。しかも寄生虫はこのカタツムリの脳までもをコントロールし、暗い夜ではなく、昼間にだけ活動をさせるように仕向けるのです。
ちなみにこれは北海道で撮影されたもの。
この目的は、最終宿主である鳥に食べられるため。イモムシだと思った鳥が、カタツムリを食べるのです。
こうしてまんまと鳥の体内に入っていったロイコクロリディウムは、鳥の腸で成虫ジストマになります。
そして鳥の食べた栄養をを吸収し生き、そこで繁殖をします。繁殖は1人でもできるし、1固体がオスメス両方の生殖器を持っているため、交尾をすることも可能なのです。
こうして作った卵が糞とともに地上へ落ちて、カタツムリに食べられ、また新たな固体が誕生するわけです。
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