頭をたたかれると死んでしまう貧弱な原始的動物、ツチブタ。ウサギがアリクイにトランスフォームしたような生き物です。

ウサギのような耳を持ち、アリクイのように蟻を食べ、長い尻尾と、頑丈なひづめをもち、豚の名前をつけられた生き物・・・それがツチブタです。
ツチブタ

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部分部分を拡大してみると他の動物にすごく似ているのに、組み合わさると完全な珍獣の姿。こんな生き物見たことありません。

実際に長年動物学者を悩ませた生き物のようで、結局、どの科にも属さないツチブタ科ツチブタ属に分類されました。

このツチブタ、アフリカのサハラ砂漠の南に住んでいます。豚やイノシシは雑食ですが、このツチブタはアリクイと同じ蟻食。シロアリの超頑丈な巣をするどいひづめで壊し、「直さなくては!」と出てきた蟻たちを45cmもある長い舌で捕らえます。

長い舌、頑丈なツメとともに、デカイ耳のおかげで聴力がとてもよいのも特長です。なにせこのツチブタ、ライオンやハイエナ、リカオンやデカイヘビの暮らす大地で生きているため、敵が多いのです。もし食事中に敵が迫ってきたら、近くにある適度な穴に逃げ込むか、その場で穴を掘ります。赤ちゃんでもこんな風に穴堀が出来るのです。

なんともストイックなのは、敵が迫ってきているのに慌てふためくことをせず、その場に穴を掘り続けること。 それが1番の武器だとしっているのです。それでもヤバイ時は、なんとひっくり返って足をばたばたさせます。武器はそのツメしかないのです。しかし、ひっくりかえってバタバタしてライオンを追い払えるわけもなく、残念な結果に終わることが多いもようです。

武器がツメしかないだけでなく、他が弱いという残念な特長も。蟻を食べるため、顎の力はなく、さらに頭蓋骨がもろく、ちょっと強くたたくと死んでしまうそうです。

いまでこそアフリカの生き物であるツチブタですが、1200万年前くらいはヨーロッパやアジアにもいた原始的な生き物。おそらく白亜紀末期に登場した原始草食動物だと言われています。たしかにこの映像を見ると、原始の時代にいそうですもんね。。特に赤ちゃん、怪獣みたいです。

こんな可愛らしい姿ですが、恐竜の歴史を今に伝える、生きた化石なんですね。

名前:ツチブタ
英語:Aardvark
体長:120~160cm/体重:50~80kg
ツチブタ科ツチブタ属

日本では、上野動物園や東山動物園で見ることができますよ。

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